🏇 くまこのクセ馬図鑑【伝説の金メダリスト】
伝説のじゃじゃ馬:ウラヌス(天王星)
1932年ロサンゼルス五輪で、日本馬術史上唯一の金メダルをもたらした名馬。しかしその正体は、誰もが匙(さじ)を投げた「超ド級のクセ馬」でした。
• 出自: イタリア生まれの巨漢。
• クセの生態: * イタリア人もお手上げ: イタリア留学中の教官ですら「とんでもない馬がいるが、誰も乗りこなせない」と評したほど気性が激しく、手の付けられない暴れ馬でした。
• 恐怖の飛越スタイル: 通常、馬は前肢を折りたたんで障害を飛びますが、ウラヌスは**「前肢を真っ直ぐ伸ばしたまま」**飛ぶという、極めて珍しく、かつ危険な癖を持っていました。もし障害に引っかかれば、人馬ともに大転倒は免れない命がけのスタイルです。
• 凡ミス常習犯: 高い障害は平気で飛び越える一方で、低い障害や簡単なバーを脚に引っ掛けて落としてしまうという、不思議で困った「悪い癖」もありました。
最高の理解者:バロン西(西竹一)
このクセ馬の唯一無二のパートナー。彼自身もまた、当時の日本軍の中で異彩を放つ「クセのある」人物でした。
• 出会いの執念: ウラヌスの噂を聞くやいなやイタリアへ急行。一目見てその素質を見抜き、当時のお金で6000円(現在の数千万円相当)という巨費を投じて自費で購入しました。
• クセを力に変える: 前肢を伸ばして飛ぶウラヌスの欠点を矯正するのではなく、自分自身の強靭な脚力(大腿部の力)で馬をグイグイと推進させる独自の騎乗法(鎧をとことん短くして乗るとあったので馬にとっては負担が少なかったのでは。。。と推測。背の高い人物だったため武邦彦や武豊のように長い手足を活用した独特の騎乗法で柔らかく乗っていたためウラヌスも楽だったのかも。。。)を編み出し、馬の「個性」として開花させました。
📖 ロス五輪の奇跡:五輪本番、ウラヌスは第10障害で急停止し、会場は一瞬絶望に包まれました。しかし、バロン西の「ウラヌス!」という一喝で、馬は再び闘志を燃やし、見事に飛越を再開。この瞬間、クセ馬と男は「伝説」となりました。
💡 :ウラヌスは初めて私が憧れた馬。「誰にでも扱える良い馬」ではありませんでした。しかし、バロン西という理解者を得たことで、その欠点や気性の激しさは、世界一の跳躍力へと昇華されました。まさに、「馬と人との絆」を象徴する、究極のクセ馬ウラヌスのお話でした。私もいつか私のウラヌスに巡り会いたいものです。
