ターフィーショップで購入した本の読み返し
この本は、一世を風靡した競走馬たちがターフを去った後、どのような人々に支えられ、どのような余生を過ごしているか(あるいは過ごしたか)を追ったルポルタージュです。単なる「引退馬の紹介」にとどまらず、彼らを支える牧場スタッフ、元調教師、そしてファンの想いに焦点を当てており、競走馬の「命のバトン」について深く考えさせられる一冊となっていました。
特に印象深かった章
1. オルフェーヴル(大好きな栗毛の三冠馬):王者の風格とその裏側
現役時代の「暴君」っぷりを知るファンからすれば、彼の引退後の姿にはどこか感慨深いものがあります。
• 感想: 種牡馬としての彼が、現役時の荒々しさをどう昇華させているのか、あるいは変わらない「らしさ」をどう見せているのかが描かれています。関係者の言葉からは、彼が単なる「強い馬」ではなく、関わる人間すべてを振り回しつつも愛される、唯一無二のカリスマであったことが改めて伝わってきました。
2. ナイスネイチャ(家族みんなで応援した思い出の馬):愛され続けた名脇役の矜持
33歳という大往生を遂げた彼のエピソードは、引退馬支援の象徴でもあります。
• 感想: 「ブロンズコレクター」と呼ばれた現役時代から、引退後にバースデードネーションで多額の寄付を集める存在になるまでの軌跡には胸が熱くなりました。彼を支え続けた「渡辺牧場」の人々の献身的な姿は、馬と人間が結ぶ理想的な信頼関係の形を教えてくれます。彼が穏やかに過ごした日々は、すべての引退馬にとっての希望の光のように感じられました。彼がこんなにも愛される仔だったのは現役時代に厩務員さんがたくさんの愛情を持って接したからだと本当に思いました。別の章のパンサラッサの厩務員さんもどんなに破格のイタズラされても本当に馬🐎を大切にして可愛がっていました。そして馬🐎は走りました。ホクトベガの厩務員さんもどんなにわがままに振る舞われてもやめろよぉ❤️って言いながら大切に可愛がっていました。そして馬🐎は走り8億という賞金を稼ぎました。
3. 角居元調教師の章:現場から「その後」への責任
トップトレーナーとして頂点を極めた角居氏が、なぜ引退馬支援の道へ進んだのか。
• 感想: 華やかな勝利の裏側にある「走れなくなった馬たちの現実」から目を背けず、真正面から向き合う姿勢には圧倒されます。調教師という「送り出す側」だったからこその葛藤と決意は、競馬をスポーツとして楽しむ私たちファンにも、相応の覚悟と責任があることを優しく、しかし鋭く問いかけてくるようでした。
読み終えた後、競馬のレース結果を見る目が少し変わるかもしれました。一着でゴール板を駆け抜ける馬だけでなく、すべての馬に「人生(馬生)」があることを再認識させてくれます。悲しい現実にも触れていますが、それ以上に、馬を愛する人たちの**「一頭でも多く、幸せな余生を」**という温かい情熱が心に残る一冊でした。
