くまこのクセ馬図鑑#1:サンデーサイレンス
【基本データ】
• 名前: サンデーサイレンス
• 二面性: 凶暴な「野獣」と、特定のものに見せる「慈愛」
• 性格: 基本は気性が荒く攻撃的だが、心を許した相手には非常に深い愛情を示す。
【野獣の素顔と友情】
1. 赤ちゃんには見せた「聖母のような優しさ」
人に対しては噛みつく・蹴るが当たり前の「猛獣」だったサンデーサイレンスですが、驚くべきことに、自分より小さく無力な存在である「人間の赤ちゃん」に対しては、驚くほど優しく接したと言われています。
ある時、見学に来た小さな子供がサンデーに近づいた際、周囲がパニックになりかけましたが、サンデーは自分から鼻先をそっと近づけ、まるで壊れ物を扱うかのように愛おしそうに接したという逸話があります。相手が自分を傷つけない「純粋な存在」であることを見抜く、高い知性を持っていました。
2. メジロマックイーンとの「奇跡の友情」
種牡馬として日本に渡った後、サンデーサイレンスは生涯の友を得ます。それが、同じ社台スタリオンステーションで繋養されていた「名優」メジロマックイーンです。
放牧地が隣同士だった二頭は、いつしか柵越しに顔を寄せ合い、まるで会話をしているかのように過ごすようになりました。気性が激しく、他の馬を寄せ付けないサンデーが、唯一心を許し、リラックスして寄り添ったのがマックイーンでした。
マックイーンが種付けのために外出すると、サンデーは寂しさのあまり荒れ狂い、彼が帰ってくると目に見えて安心したといいます。「最強のクセ馬」と「最強のステイヤー」の間には、種族を超えた深い絆が存在していました。
【クセ馬エピソード】
• 死線を越えた雑草魂: 幼少期の重病や、輸送車の横転事故など、何度も死にかける不幸に見舞われながらも生還。その不屈の精神が、後の勝負根性へと繋がりました。
• 天才を拒絶する気性: 全米のトップジョッキー、シューメーカーに「手に負えない」と言わしめるほどの荒っぽさ。
• 逆転の種牡馬生活: アメリカで「血統が地味、体型が不格好」と冷遇されたことが、結果として日本への導入に繋がり、日本競馬の勢力図を一人で塗り替える奇跡を起こしました。
サンデーサイレンスは、ただ暴れるだけの馬ではありませんでした。彼は相手の強さや純粋さを鋭く見抜く、非常に感受性の強い馬でした。ライバルには牙をむき、マックイーンには友情を捧げ、赤ちゃんには慈悲を見せる。その激しすぎる人間臭さこそが、多くのファンを魅了し、最強の産駒たちを世に送り出した最大の「クセ」だったのです。
